肩にトラブルを抱えている方の中には、夜間痛(夜に強くなる肩の痛み) を訴える方が少なくありません。
痛みで眠れず、翌日の仕事や家事に支障が出てしまう……また気分も落ち込みがち。。。。そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
過去の研究では、夜間痛のある方は肩峰下圧(けんぽうかあつ)が高い傾向にある といわれています。
■肩峰下圧とは?
肩峰(肩の上にある骨)と上腕骨頭の間には「肩峰下スペース」と呼ばれるすき間があります。このスペースの圧が高まっている状態を肩峰下圧が上昇していると言います。
この部分には 肩峰下滑液包 や 腱板(特に棘上筋) が存在し、肩の動きをスムーズにする役割を担っています。
▼肩峰下の解剖図

■肩峰下圧が高くなる原因
過去の研究では、以下のような状態が肩峰下圧を上昇させる要因になるとされています。
• 肩峰下インピンジメント(骨同士の衝突)
• 肩峰下滑液包の炎症
• 滑液包や腱板周囲の癒着
• 肩峰‐上腕骨頭間距離(AHI)の短縮
これらが重なることで 肩峰下圧が一層高まり、夜間痛が起こりやすくなる と考えられています。
■夜間痛のある人に共通する特徴
夜間痛群VS非夜間痛群
研究では、以下の項目が 夜間痛群で有意に低下 していたと報告されています。
●① 肩関節下垂位(1st)での外旋可動域


図(腕を体側に下ろした姿勢での外旋)
●② 結滞動作(腰や背中へ手を回す動作)の可動範囲

この2つの動作が硬くなっているケースが多いことがわかっています。
■肩甲骨アライメント(肩甲骨位置)の変化も関係している?
さらに夜間痛群では、
肩甲骨が上腕骨に対して下方回旋しているアライメント
が多く見られることも報告されています。
肩甲骨が下方回旋することで肩峰下スペースが狭くなり、結果として肩峰下圧が上昇しやすくなります。
▼肩甲骨下方回旋の図

■改善のために必要なこと
肩峰下圧を軽減するためには、
• 外旋可動域(特に1st外旋)
• 結滞動作
• 肩甲骨の適切なアライメント
これらを改善することが重要です。
これらの動きは骨・筋肉の連動を理解した上でアプローチする必要があり、
専門的な評価と運動指導が非常に効果的です。
■夜間痛でお困りの方へ
夜の痛みは「放っておけば治る」ものではなく、原因がはっきり存在することが多いです。
固い組織に対する柔軟性を向上したり、肩甲骨の位置を調整することが必要です。
「いやー、今寝れなくて困っています」今すぐ夜寝れるようになりたいという方は、寝るときの姿勢を工夫するのも一つです。


ポジショニング
肩に対して肘の位置を高くするのがポイント!!!!
肘の下にクッションを入れて、肩の位置を整えられて肩峰下圧の上昇が抑えられ痛みを軽減できるかもしれません。
それでもまだ痛む場合は、お腹の上にクッションを置いて肘よりも手が高くなるようにしてみてください。それでも痛みが治まらないという方は、左手の下に10~15㎝程度の厚みのあるクッションを置いてみてください。肩の負担はより減らすことができると思いますので、一度お試しください。

