― 理学療法士が教える SPPB(エスピーピービー)のお話 ―
こんにちは。マウリです。
年齢を重ねると、「最近つまずきやすい」「歩くのが遅くなった気がする」と感じることはありませんか?
実は、こうした変化は将来の転倒リスクと深く関係しています。
今回は、医療や介護の現場で世界的に使われている
SPPB(Short Physical Performance Battery) という評価方法について、できるだけわかりやすくお話しします。
SPPBってなに?
SPPBは、体の動きやすさをチェックする簡単なテストです。
内容はとてもシンプルで、次の3つを行います。
- 立ったままバランスをとる
- 4メートルを歩く速さを測る
- 椅子から立ち上がる動作を5回行う
それぞれを点数で評価し、合計12点満点。
かかる時間はたったの5分程度です。
病院やクリニックでは、
- 高齢の方
- 入院中の方
- 心臓の病気がある方
などの体の機能を確認するために広く使われています。
SPPBで「転びやすさ」もわかる?
実はSPPBは、
👉 「将来転びやすいどうか」 を予測するのに役立つことが分かっています。
SPPBの点数が低い人ほど、転びやすい
- 合計点が4~6点の人は10~12点の人と比べて
👉 翌年に転ぶリスクが約3倍も高い、という結果が報告されています。
①バランス
- 両脚そろえて立つ(閉脚立位):10 秒保持 → 1 点/10 秒未満 → 0 点。
- セミタンデム :10 秒保持 → 1 点/10 秒未満 → 0 点。
- タンデム :10 秒= 2 点、3–9.99 秒= 1 点、3 秒未満= 0 点。

② 歩くのに時間がかかると注意
助走はせずに4メートルを普通の速度で歩きます。2回測定し速い方を採用します。
- 実施困難 0点
- 8.71秒以上 1点
- 6.21秒~8.70秒 2点
- 4.82秒~6.20秒 3点
- 4.82秒未満 4点
6.2秒以上かかる人は、
👉 1年~4年間の転倒を予測できるサインになることが分かっています。
「歩くのが遅くなったな」と感じるのは、実は大切なサインなのです。
③ 椅子から立ち上がる動作は特に重要!
椅子から5回立ち上がる動作です。
座っている姿勢から繰り返し立ち座りし、5回目の立った状態までの時間を測定します。
手は使わないでくださいね。
- 実施困難 0点
- 16.70秒以上 1点
- 13.70秒~16.69秒 2点
- 11.21秒~13.69秒 3点
- 11.20秒未満 4点
- 立ち上がれない
- 5回立ち上がるのに 16.7秒以上かかる
こうした方は、
👉 1年間の転倒リスクが高いと言われています。
各テストの合計点が何点なのか把握し、点数が低い場合は何らかの対策をとって頂ければと思います。例えば自宅内でできる運動を少しづつ始めたり、転倒予防に杖や歩行補助具(シルバーカー)を使うなど、自宅内の環境を整えるのも一つだと思います。また定期的に合計点をチェックすることで急な体力・筋力の低下などに気づくことができます。ご自身の身体はご自身で管理することが大切です!
まとめ:SPPBは「体からのメッセージ」
SPPBは、
✔ 特別な道具はいらない
✔ 短時間でできる
✔ 将来の転倒や体力低下を予測できる
とても優れたチェック方法です。
「まだ大丈夫」と思っていても、
体は先にサインを出していることがあります。
転倒は予防できます。
今の体の状態を知ることが、その第一歩になります。
